断りたかった

タイトルは、アリサに勘を取り戻すためにミッションにつきあって欲しいと三回つきあった後、つい、エントランスターミナル前に立つカノンに話しかけてしまって、一緒に行ってくれませんか? と言われた時思った事、です。

それを元にちょっとした小ネタ。

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「ちょっと他に用事があるから、後でもいいか?」

アリサに頼まれて付き合ったミッションから帰って来たユウトは、エントランスのターミナルの前に立つカノンについ、声を掛けてしまい、思いっきり後悔した。

一緒にクアドリカ退治のミッションに行って欲しいと頼まれたのだ。

しかも、二人で……。

「はい、構いません。お時間空いたら、お願いします」

「……ああ、うん。分かった」

嫌だ、と言えたらと思いながら、ユウトは足早にエントランスを後にする。

エレベーターで病室のある階まで上がって、何となく、病室へと足を踏み入れた。

誰も居ないと思っていた病室には先客が居て、驚く。

「コウタにソーマ。何してんだ? こんなところで。怪我でもしたか?」

「ああ、うん。ソーマがな。こいつ怪我してるってのに手当しようとしないから、無理矢理引っ張って来た」

「……お節介な奴だ」

「何だよ、その言い方」

「はいはい、そこまで。誰も居ないからって病室で騒がない」

「あ、ごめん」

素直に謝ったコウタと違い、ソーマは不機嫌そうにふいっと視線を逸らす。

まあ、いつもの事かと思い――此処につい来てしまった原因を思い出し思わずため息を吐き出した。

「そう言えば、ユウトはどうしたんだ? 怪我でもした?」

「怪我はしてないよ。アリサに頼まれてミッションに付き合って帰って来たところだ」

「アリサは? 大丈夫そうか?」

「ああ、もう大丈夫だよ。心配しなくていい」

「良かったあ」

心底ほっとしたように言うコウタに、ユウトは微かに笑う。

もう一度溜息を吐きだして、あんまり待たせる訳にもいかないかと思い始める。

「それで、お前は何しに来たんだ」

ずっと黙っていたソーマの問いに「ああ、うん」とユウトは曖昧な返事をする。

「カノンに……」

その名前を言っただけで、ソーマもそしてコウタも微妙な顔をする。

「一緒にクアドリカ退治のミッションに行ってくれって頼まれた」

「ああ、それは……」

「二人だけで」

その言葉でコウタは言い掛けた言葉を飲み込む。

珍しくソーマまでもが、同情するような視線をユウトに向けていた。

「まあ、無事帰って来る事を祈ってるよ」

「わざわざカノンから離れるように動いてるのに、気付くと俺の後ろに居るんだよ。で、撃たれる」

「……離れるように動くだけ無駄だ。諦めろ」

「ソーマ、人ごとだと思ってるだろ」

「人ごとだからな」

さっさと行け、と言われてユウトは溜息を吐きだす。

「あ、でも、何でコウタまで微妙な顔するんだ? 同じ遠距離なんだからコウタは撃たれないだろ」

「……それが、撃たれるんだよ、何故か」

「……そうなのか」

「だから、無駄だと言っただろ。いいからさっさと行け。他の奴に被害が行く」

そう言ってソーマは無理矢理ユウトを病室から追い出した。

追い出されて、音を立てて扉が閉められて、ユウトは仕方なくエントランスに向かう。

エレベーターを降りて、未だにターミナルの前に立つカノンに近づいて、そうして二人は廃寺へと向かった。

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アリサと二人のミッションの後カノンに誘われて、断れるものなら断りたいと思ったので書いてみた。

私が操るプレイヤーキャラも誤射多いけど、カノンの誤射はホント半端ないよなあ。

しかも、撃たれて怒られるし……。

わざわざカノンから離れるように動いてるのに、何故かいつも気付くと後ろにいるんだよ。

何か恨みでもあんのか? と思ってしまう……。

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