消えない不安 その後

投下するかも、と言っていた小ネタ。

消えない不安のその後、ですね。

ソーマは殆ど出て来ないかも。

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目が覚めて辺りへと視線を巡らせて、結局朝まで寝ちまったか、と思う。

見れば、ソーマはまだ起きていないようで、先に目が覚めたリンドウは、未だ眠っているソーマを眺めていた。

「それにしても、良く寝てるな」

言いながら、丁度目の前にある銀糸を撫でる。

乱暴とも言える手つきで撫でていれば、鬱陶しそうに眉間に皺が寄せられて、ゆっくりとその目が開かれる。

ぼうっとリンドウを見上げるソーマを見つめて、微かに笑って告げた。

「おはよう。目、覚めたか?」

そのリンドウの言葉で覚醒したのか、ソーマの目が驚きに見開かれる。

何かを思い出したのか、その視線が彷徨い初めて、微かに赤く染まった顔を眺めていると、思いっきりベッドから蹴り落とされた。

予想通りと言えば予想通りのソーマの反応。

お陰で受け身は取れたが、痛いモノは痛い。

――昨日はあんなに可愛かったのに。

と思い溜息を吐き出せば、ソーマの唸る声が聞こえて……ああ、どうやら思った事を口に出していたようだと思った時には遅かった。

「出ていけ!」

と赤い顔で叫ぶように言われて、これ以上機嫌を損ねても良い事はないだろうと判断して、大人しくソーマの部屋を後にする。

「先に行ってるからな。お前も来いよ」

部屋を出る際に、そう声を掛けて、リンドウは食堂へと向かって足を進めた。

                     ■ ■ ■

食堂へと入れば、丁度そこに第一部隊のリーダーが居た。

「よ、リーダー。おはよう」

声を掛ければ一瞬微妙な顔をして、溜息を吐き出して言葉を紡ぐ。

「おはようございます。そう言えばリンドウさん。ソーマは今日、任務行けそうですか?」

「ああ、大丈夫だ」

「良かった。ソーマに抜けられるとホント大変なんですよね、主に俺が」

本当に良かったと思っている様子のユウトを眺めて、リンドウは気になっている事を聞こうと思い口を開いた。

「なあ、一つ聞いてもいいか?」

「なんですか?」

「俺の遠征中にお前、いつ帰って来れるかってメール送って来ただろ? あれって、ソーマの様子がおかしかったからか?」

「そうです。仕事なのに早く帰って来てくれとも言えませんから。帰って来るまでの間フォローするしかないと思ったので、何時頃帰って来るか知りたかったんです。……まさかこんなに早く帰って来るとは思いませんでしたよ」

そのリーダーの言葉にリンドウは苦笑する。

本当に用件だけのメールで、何も変わったところはなかったのだ。

ソーマの様子がおかしいとか、そんなことはどこにも書いてなかったし。

そんな事を匂わすような文章があった訳でもない。

だがそれでも、何となく、嫌な予感がしたのだ。

リーダーからメールが来る事自体が珍しいというのもあっただろう。

それに――。

「リーダーはソーマには甘いよなあ」

「誰のせいだと思ってるんですか」

ぽつりと呟いた言葉に、即座に言葉が返って来る。

そう、ユウトはソーマに甘いというか、ソーマを随分と気に掛けているのだ。

それが分かるからこそ、あのメールで嫌な予感がしたのだろう。

まあお陰で良かったが、本当に大変だったのだ。

予定ではまだ掛かる仕事を、それこそ必死に終わらせて、急ぎ帰って来たのだから。

ユウトがソーマを気に掛けるのは、恐らくリンドウが以前に命令したせいだろうが、何となく、そう何となく面白くない。

「リンドウさんの命令に従ったらこうなっちゃったんですよ」

そう言ってユウトは盛大に溜息を吐いた。

先に食事を初めていたらしいコウタがユウトを呼んで、呼ばれたユウトは「それじゃあ」とリンドウに断ってコウタ達のいる所へと向かっていく。

それを眺めて微かに笑って、リンドウはさてどうするかと思っていた。

恐らくあの様子だとソーマは此処に降りて来ることはないだろう。

二人分の食事を持って、部屋まで行くかと思いながら、食堂の中へと足を進めた。

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リンドウさんが急いで戻って来た理由と、主人公がソーマをやたらに気にする理由と。

二人の朝の様子、ですかね。

ああ、日付変ってしまった。もう少し早く投稿するつもりだったんですけど。

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