間に合わなかったのでSS投下

今日更新する予定だったんですが、間に合わなかったので、思い付いたSSを投下していきます。

あと少しなので明日には更新出来るかと……。

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タツミ、コウタ、ソーマ、ジーナの四人が任務から戻って来る。

顔を見合わせて、溜息を吐き出した。

このところ、報告されていたアラガミ以外のアラガミに乱入される事が多い。

今日もそうで、予定外の出来ごとに皆疲れていた。

「なあ、クアドリガ堕天の討伐だったよな? なんでテスカトリポカが居るんだよ」

「知るか」

コウタのぼやきにソーマが不機嫌そうな口調で答える。

「まあ、皆無事だったんだから、良いじゃないか」

「そういう問題じゃないと思うけど」

明るい口調で言ったタツミにジーナがそっけなく答える。

再び溜息が零れた。

こうしていても仕方がないと思い、今回の討伐のリーダーのタツミが報告に行こうとした瞬間、リンドウの声がその場に響く。

「よ、ソーマ。お疲れさん」

言いながら、ソーマの肩に手を置き上から下まで眺める。

肩に置いていた手でフードを外し、上着の上からソーマの腕に触れたり、上着をめくったりし始める。

不機嫌そうな表情でソーマは睨むようにリンドウを見ているが、何を言っても無駄だと知っているからか、特に抵抗する様子はない。

いつの間にか居なくなっていたジーナはともかく、こんな光景を初めてみたのかコウタは驚いたようにリンドウとソーマを見ていた。

タツミは、相変わらずだなと思いながらその様子を眺める。

「今回もまた凄いな」

ソーマの上から下までを眺めれば、今回の任務も楽なモノではなかった事が分かる。

また無茶をしたのか、と思う。

以前のような無謀さはなくなったものの、仲間を思うあまりソーマは自分を囮にするような戦い方をする。

それでもアラガミを倒せるだけの実力があるのは知っているし、リンドウも自分にアラガミをひきつけて戦う事はあったから何も言えないが。

だからと言って何も思わない訳でもない。

小さく気付かれないように溜息を吐きだして、何かを探るかのようにリンドウの手は忙しなく動く。

少し強く触れれば、微かにソーマが反応を返す。

「やっぱりお前、怪我してるだろ。ほら、行くぞ」

「全く。こんなの怪我のうちに入らねえって言ってるだろ」

「お前は大怪我でも怪我のうちに入らないって言うからな」

言いながらソーマの腕を掴みそのまま引っ張って行く。

文句を言いながらも、ソーマはリンドウに引っ張られるままエントランスから姿を消した。

                     ■ ■ ■

「変わらないな」

微かに笑って紡がれた言葉に、コウタが反応する。

「変わらないって、昔からああなんですか、あの二人」

「コウタは見た事なかったのか」

「初めて、ですね。リンドウさんやソーマと任務に行った事はあったけど……」

「まあ、二人とも忙しいからな。時間が合わない時は、リンドウさんが強引にソーマの部屋に押しかけてるはずだ」

「なんでそこまで……」

そう言ったコウタに、タツミは昔を思い出しながら話す。

ソーマがゴッドイーターとして此処に来たのは12の時で、今よりも当然だが小さくて、なのにその小さい身体に似合わないバスターを振り回して戦っていた。

ゴッドイーターなのだから、身体の大きさに関係なくバスターを振り回せると分かってはいても、神機の方が大きくて、タツミも大丈夫かと思った事はあった。

子供らしくない子供で、何があろうと表情を変えることもなくて。

最初のうちは子供だと言う事もあって気に掛けていた者たちも、いつしかソーマを構う事はなくなった。

そんな中最初からずっと変わらずに只管ソーマを構い続けていたのがリンドウだった。

ソーマに何を言われようが関係なく、逃げれば追いかけて、そうやってずっとあの二人は共に在った。

「昔から怪我をしてもほっとくんだよな、ソーマは。大怪我でも放っておくから見かねたんだろう。任務から帰ってきたソーマをさっきみたいにリンドウさんがチェックするようになった。最初はソーマもかなり抵抗したんだけどな、今以上に体格差があったからなあ」

「抵抗しても無駄だったと」

「そういう事、だな」

そう言ってタツミは笑う。

それじゃあ、報告に行くから。と軽く手を挙げて、タツミはその場を後にした。

                     ■ ■ ■

ソーマを自室に連れて来てソファに座らせる。

常備してある救急箱を取りだした。

子供の頃、怪我をしても放っておくソーマを無理矢理手当していた。

どうしても医務室に行くのを嫌がった為、自室で手当てするようになって、それ以降救急箱を常備しておくようになった。

今思えば、あの頃ソーマが医務室へ行くのを嫌がったのは、見られたくなかったからだろう。

軽い怪我ならば、アナグラへとも戻って来るまでの間に既に治り始めている。

そんな状態を誰かに見られるのが嫌だから、手当を拒んだのだろう。

だがそれを知っても手当し続けていれば、諦めたのか――とは言っても放置しておくのは相変わらずだが――大人しく手当てをさせてくれるようにはなった。

「怪我したら手当しろって言ってるだろ」

「大した怪我じゃない」

返って来る言葉も、相変わらずだ。

それでも、リンドウの手を拒まないのならば、自分がすればいいと思う。

この役目を誰かに譲るつもりも、ないのだから。

「仕方ねえな。これからも俺がやってやるよ」

「他の誰がするんだ、こんな事」

それだけ言って、ソーマはふいっと顔を背ける。

銀糸の間から覗く耳が赤く染まっている事に気づき、リンドウは微かに笑った。

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任務から帰って来たソーマをチェックするリンドウさん。

それを見て相変わらずだと思うタツミ、というのが浮かんだので書いてみました。

タツミもソーマ入隊前からいるんで、子供の頃の事とか知ってるはずなんですよね。

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