CLOCK ZERO~終焉の一秒~Portable@海棠鷹斗
- Oct 20, 2011
- Posted by 紅希
- Category : 乙女ゲーム CLOCK ZERO~終焉の一秒~Portable 海棠鷹斗
評価:★★★★☆(4.5くらい、かな)
海棠鷹斗 -かいどうたかと- (CV:浪川大輔)
海棠グループの一人息子で、小学生ながら博士号を取得している天才科学者。
5歳でIQ280だったらしい。
レインに国民の宝とまで言われるほどの天才。
主人公と同じクラスで、転校生。
鷹斗はメインヒーローですが、攻略制限がついてます。
二周目以降しか攻略出来ません。
舐めてました、このルート。
まさか、こんなに泣かされるとは……。
ぼろぼろですよ。
オトメイトブログで鷹斗はかなり細かく演じ分けしてもらったと書いてありましたが、ホントその通りでした。
すげーな、声優さんって。
5パターンありましたね、私が確認出来ただけで。
小学生の鷹斗、神賀先生、キング、帰還エンド後の先生になった鷹斗、13歳の鷹斗。
これが全部、同じ人だと分かる範囲内ででもちゃんと違うんだよ。
ホント凄いと思った。
神賀先生と、帰還エンド後の鷹斗はどっちも先生なんだけど。
神賀先生の方が胡散臭いというかわざとらしいんんだよね、喋り方が。
先生になった鷹斗の方が真っ直ぐな感じって言えばいいかな。
小学生の鷹斗と13歳の鷹斗は違いが殆どないはずなんだけど、13歳の鷹斗は、事故後の主人公を見て壊れてしまった鷹斗だったから、やっぱり違うんですよね。
で、キングもやっぱり違うし、凄いと思いましたよ。
本当に細かく演じ分けしたんだなあ、と。
あと鷹斗ルートはバッドエンドの回収が凄く大変でした!
中々バッドに入れなくて……。
大体一個選択肢外すとバッドに入れたりするじゃないですか。
でも鷹斗は殆ど選択肢外さないとだめで……物凄く大変だった。
バッドエンドは完全に壊れてましたけどね、鷹斗。
小学生パートで、まさか泣かされるとは。
天才で、やれば何でも出来てしまうが故に、目標は持てない、夢がない。
5歳でIQ280で、その頭脳に大人は目をつけて。
幼いころから研究をしていて。
そのせいなのか、人間を生物としか見れなくなってたみたいですね。
自分もその生物でしかなく、だから人として生きている実感もない。
天才で、やれば何でも出来てしまうから、目標を持つことも出来なくて、未来を見る事も出来ない。
そんな悩みを分かってくれる人もいなかった。
天才であるが故の孤独、ってヤツですね。
鷹斗が出来ない事って料理だけだもんね。
しかし、レシピ通りに作って何故あんなことになるのか……。
感情が希薄で怒りの感情を持つことが出来なくて。
そんな鷹斗に感情と言うモノを教えてくれたのが、主人公だったって感じでしょうね。
夢が持てないという悩みも、可笑しいと言う事もなく、そのまま肯定してくれたしね。
天才科学者だとかそんなの関係なく、鷹斗個人を真っ直ぐに見てくれた初めての人なんだろうね、主人公が。
そりゃ、執着するわ。
うん、流石制作者にも、中の人にも「恥ずかしいヤツ」と言われただけはあるぞ。
恥ずかしいヤツだな、鷹斗!
うわあ、もう何か転げ回りたくなるよ!
自覚あるだけに性質が悪いよね、こいつは。
俺って恥ずかしヤツかも、ってその通りだよ! と突っ込んだのはきっと私だけじゃないと思う。
PSPで追加になった、スペシャル課題。
見つかった後、鷹斗と神賀先生の会話があるんですよ。
何か張り合ってますが、一応同じ人間だろ? と思ってしまったよ。
まあ鷹斗の方はそれ知らないけど、神賀先生は知ってるだろうに。
そりゃ鷹斗の思考なんて読めるわな、自分の過去だし(苦笑)
大人げないヤツというか、鷹斗は特に、大人の方が子供っぽいですよね。
大人パートですね。
いやもう、最初は怖かったですよ、鷹斗。
円ルートのあの怖さが残ってるし、怖いよ~と思いながら進めてました。
鷹斗の怖さって、あれですね。
新興宗教なんかかを信じてる、自分は絶対に間違ってないと思ってる感じのじゃなんですよ。
いや、自分のしてることが正しいとは思っては居るんだよね。
感情が希薄なせいで、計算でしか物を考えられない。
計算上は確かに正しくても、そこに感情ってものが入ると正しくないんだってのが分からないんだなあ。
あと、自分のしてる事が主人公を悲しませるだけだって事は、分かってる。
それでも、自分の望みの為なら、それを貫けるんだ。
すげー怖い。
あの、何と言うのかな。
声も凄い優しくて、言い方も優しい、立ち絵も笑顔なのに、怖いんだよ。
言い方も声も凄く優しいのに、そこに本当に自然に微妙に混じる”何か”が凄く怖くて。
正直ぞっとしましたし、鳥肌も立った。
特に僅かにトーンが下がった時が怖い。
どう表現していいのか分からないんです、ホント。
ただもう、あの優しい声に微妙に自然に混じる何かが凄く怖かったです。
そして、ずっと疑問だった、何故主人公が元居た世界の時を止めたのかってのですね。
子供鷹斗の存在のせい、か。
やっぱり、理一郎の残留エンドで思った事は正しいよ。
意識の抜けた状態の小学生の主人公を見た鷹斗は、最終的には同じ結果をもたらす。
でも、それで世界が壊れるから時を止めたんじゃない所がまた鷹斗の怖い所なんだよな。
世界が壊れた事で、時空転移の技術が完成したって事だから、同じように世界が壊れたら、2010年の鷹斗も時空転移を完成させてしまう。
そうすると、干渉されて、奪い返される危険性があるから、だったんだ。
鷹斗の世界は、主人公を中心に成り立ってるんだな。
鷹斗の望みはただ一つだけなんだよね。
主人公と二人で生きて行く事。
ただ、それだけなんだ。他はきっと何もいらない。
もう本当に、「君の居ない世界なんて、いらない」なんだなあ。
それにしても「好き」と言い過ぎじゃないか、鷹斗。
色んな言い方があるんですね、好きって言い方にも。
こんなに悲しい「好き」という言葉は、ないなあ、ホント。
悲しすぎる、色々と、本当にもう。
一人で出掛けたいと言う主人公に、お願いを聞く代わりにキスをしてと言うところがあるんですが。
この時主人公も思ってましたが、これって鷹斗自身を傷つける行為でしかないんですよね。
しかもそれを、自分で分かってる。
大人ルートの前半は、ずっとこんな感じでした。
鷹斗は自分が主人公に受け入れられないって分かってるんですよね。
なので切ないんですよね、本当に。
怖くもあったけど。
出掛けた主人公を迎えに来たりとか、どんだけもう一度主人公を失う事に怯えているのか。
そもそも政府のあの、今誰がどこにいるのか分かるような体制も、目覚めた主人公が再び理不尽に奪われないように、だからね。
誰がどこで何をしているのか分かれば、理不尽な事故は防げる、と。
平和を願ってる訳でもなんでもなく、ただ二度と自分の傍から主人公が奪われる事がないように、なんだよね。
主人公を失った瞬間に、ホント壊れたんだろうな、鷹斗は。
段々と人としての感情を取り戻して行く過程が見えて、それと同時に鷹斗が何かを決意しただろうってのが見えて、ああああ、と思いました。
声もね、変わって行くんだよね。
トーンとかは変わらないんだけど、微妙に混じっていた何かがなくなっていくのが分かるんだ。
段々怖さが薄れて行きましたね、声からも。
一緒に寝て欲しい、には吃驚したましたね。
なんつーか、ね。
大人だとさ、他キャラもそうだったけどさ、こういう展開だと多少はアダルトな雰囲気が混じるんですよ。
声にも、ね。
なのに全くそれがないのが、ね。
でも、だからこそ恥ずかしいんだよ!
むしろアダルトな雰囲気になった方が恥ずかしくないのだと知った。
うわー恥ずかしいヤツ! とか思ってると、泣けるような台詞を吐いてくれる。
すっと一緒にいる、という主人公の台詞に対して「俺も、ずっと一緒にいたいよ」と言うんですよね。
この台詞で鷹斗が何を決意したのか分かりますよね。
自分のしたことも分かってて、だから自分という存在が無くならない限り、終わらない事も分かってる。
だから、政府の人達を全員逃がして自分だけが残るってなるんですよね。
確かに、鷹斗のしたことは良いとは言えない。
言えないけどさ、世界を壊したのだってやりたくてやった訳じゃない、からね。
それに、この辺の事は央に賛成なんだけど、食べるモノもろくにない状態の時に管理する人もいない状態で自由にしておけば、絶対に少ない食べ物を巡っての争いが起こる。
そうならなかったのは、誰もが平等にモノを食べられたのは、政府のお陰でもあるんだよね。
それが度を越してしまっただけ、なんだよなあ。
その辺は鷹斗の感情が希薄なせいなんだろうな。
全てを管理されるのが、自由がないのが嫌だと言うのが分からない。
机上の空論ってヤツなんだろうね。
計算上は確かにそれで、鷹斗の理想とする世界は作れるのかもだけど、人間には感情があるからね。
だけど、感情が希薄な鷹斗にはそれ自体が分からない。
小学6年生の時主人公に出会って、人としての感情を徐々に取り戻し始めてたんだろうね。
完全に取り戻したのか、取り戻している最中だったのかは分からないけど、そんな時に主人公を失った。
取り戻しかけた感情が全部そこでまた、無くなったんだろうな。
他のルートだと、主人公が相手を先に想う感じが見えるんだけど、鷹斗の場合最初からもう全力で愛されます。
想うより想われたい方には良いかと。
まあ私はそういうタイプじゃないけど、鷹斗ルートはホント切ないからね。
幸せになって欲しいと思いますよ。
一番好きなキャラ、だな、このゲームの中では。
理一郎が一番だろうと思ってたのに、さくっと越されました(苦笑)
レインが裏切った事を知って、政府を解体すると鷹斗が言い出す訳です。
レインが裏切ったと見抜いて、解体するからと交換条件を持ちかける訳ですが。
レインの目的は政府解体じゃないですからね……。
手引きされて政府の中に入ってた有心会の人間によって主人公が人質にされて、鷹斗を庇って主人公が怪我しちゃうんですよね。
大丈夫だから、側にいるから、だから狂わないで、って言う主人公の台詞がね!
この時、円がカッコいいんですよ。
絶対に助けますって断言するのがね! おお、円カッコイイと思いましたよ。
でまあ、主人公の言う事を聞いて、レインの言葉に惑わされずどうにか狂わずに済んだ訳ですが。
ここで、9年前の事故の黒幕がレインだと判明します。
レインの目的は鷹斗に人体蘇生の研究をさせる事。
その辺りの詳しいことは「はじまりの記憶」で分かりますけどね。
鷹斗はレインにまあ利用された、って感じですかね。
事故を仕組んだのも、レインですしね。
その辺はまた別の記事で書きます。
で、ここでね、また恥ずかしいイベントがあるんですよ。
というか、何だって鷹斗はこういう恥ずかしいのが多いんだ!
好きだと告げられて、凄く驚くんですよね、鷹斗。
いや、主人公の態度で分かっただろうと思うんだけど、このイベント見ても、受け入れられるはずがないって思ってたのが分かるんだよな。
凄く驚いてましたからね。
で、その後キスのやり直しとかいう恥ずかしい事になる訳です。
出掛けたいという主人公に無理矢理させておいて、「あんなの違うし」とか言っちゃうんですよね。
いや、言い方は可愛かったよ、確かに可愛かったさ。
お願い、もう一回言って、とかの台詞は特にね。
でもね、でもね!
やっぱり恥ずかしいんだよ!
本当に鷹斗は、主人公が事故にあった時で止まっちゃってるんだな。
いや、うん。
何と言うか、ね。
鷹斗って恥ずかしいヤツですよね、ホント。
残留エンド。
燃える政府から二人して逃げて、有心会に見つからないように隠れて生きて行く、って感じですね。
子供達に囲まれて、悪い王様だったキングが正義の味方に倒されたという話を聞かされます。
子供達はその話をしている相手がそのキングだとは知らないですからね。
鷹斗のしたことは決して良い事じゃなくて、だからそう言われるのも仕方ないとは思うけど。
ただ主人公を取り戻したいという思いが結果ああなってしまったんだと思うと、切ないんだよね。
でも、そんな中、一人の女の子が、私はキングが嫌いじゃないと言うんです。
私達が今までご飯食べらたのも、ここにお花が咲くようになったのも、キングのお陰なんだと。
キングはちょっとやり方を間違えちゃっただけだっておばあちゃんが言ってた、と。
悪い人じゃないんだ、と。
切ないよなあ、ホント。
帰還エンド。
もうね、これが本当に切なすぎる。
燃える政府の中を主人公は鷹斗の元に向かうんです。
その辺はまあ、一緒なんですよ残留エンドと。
鷹斗は主人公を地下へと連れて行って、元の世界に帰そうとします。
ホント強引だよね。
催眠効果のある花を使ったらしく、主人公の意識が段々と怪しくなっていくんですよね。
帰るつもりはないんだと、ずるいと主人公は叫ぶんですけどね。
ここでの鷹斗の台詞が切ないんですよ、本当に、泣かされた、また。
「君と一緒に生きたかった。何でもない他愛のない毎日を、君と一緒に過ごしたかった。世界なんて壊したくなかった。……でもそれでも俺はね、君のいない世界なんていらないんだ」
とまあ、こんな感じの台詞。
途中いくつか飛ばしてます、かなり長いんです。
ここの、世界なんて壊したくなかったって言い方がもうね!
切ないんですよ。悲痛な叫びって感じの言い方で。
そうだよな、壊したくて壊した訳じゃないよなとか思ったら切なくてね。
だけど、此処にいると危険だからきっと2010年の12歳の海棠鷹斗が君を守ってくれるから、ってね。
そう言いながら、それでも君の居ない世界なんていらないって……ホント矛盾してるんだよ。
なのに、君の居ない世界なんていらないと言いつつ、帰しちゃうんだよね。
2010年に戻れば、時の停滞は解けていて、でも鷹斗だけ目を覚まさなくて。
やっと目を覚ました鷹斗に、主人公が抱きつくんだよね。
いやもう、大丈夫だよ、俺はここにいるから、傍にいるから、と泣く主人公を宥めるた鷹斗は、2020年の鷹斗より大人だよなあ、ホント。
帰還エンドは切なかった。
で、2021年に話は飛んで、鷹斗が先生になったというのが見れます。
主人公は事故にはあったらしんですが、どうやら鷹斗が助けたらしい。
10年前の海棠鷹斗へって手紙がある日机の引き出しに入っていた、と。
主人公が事故に合う日時が書かれていて、どうやらそれのお陰で鷹斗は主人公を助けられたらしい。
でもそれ以外にも、その事故で助けても鷹斗が研究を続けている限りはまた主人公が事故に合う可能性があるって事、それを回避する為には鷹斗が一度研究から一切手を引く事などが書かれていたらしい。
もうね、これでまた、あああ(泣)ってなるんですよ。
2020年の、壊れた世界の鷹斗が送ったって事だよね、その手紙。
どんだけ泣かせたら気が済むんですか、と思いましたよ。
で、最後の最後に、あの壊れた世界の地下が映って、眠り続けている主人公に、また明日と鷹斗が話しかけて出て行って……そしたら! 主人公の目が開くんですよ。
そこで終わってるんで、目覚めたのか、壊れた世界の鷹斗が助かったのかどうなのかも分かりませんけどね。
どうなったのか見たいような見たくないような、微妙な気持ちですよね。
いやあそれにしても本当に泣かされました。
こんなに泣いたゲームは初めてかもしれない。
鷹斗ルート、ホント舐めてました。
CZでは一番好きなキャラになりましたしね。
病んでるというより鷹斗は壊れてるって感じがしたな。
鷹斗の時間は、主人公が事故にあって意識を失った時に止まってしまったんだろうな。
そう思うとホント切ないよね。
さて、PSP版だと、大団円エンドとレインルートが追加になってるらしい。
確かに鷹斗クリア後に何か開いたんで、そちらもやってみましょうか。
その二つをクリアしたら、総評を書きます。