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水の旋律

水の旋律PSP版をプレイしています。

まずは総評としては、色々中途半端ですね。
甘さも少ないし、切なさも微妙。
あと、矛盾がちょっと多すぎる。
肝心な所での矛盾は流石にちょっと。

主人公の能力開花のところが、どのルートでも全く同じ展開なので、そのせいで矛盾が生じてますね。
九艘側と一謡側。
どっちに行くかで展開を変えたらもう少し良かったんじゃないかな。

あと、イベントがランダムなんですが、ランダムイベントにスチルが着くのはちょっと集めるのが面倒です。
既読率を100%にするには、相当時間がかかるかと。
マルチブルも全部埋めるとなると……気が遠くなりそうです。

とにかく、ランダムイベントでスチルがあるモノも、各キャラごとに違う訳でもなく、同じイベントが多くて。
台詞なんか違っても、行く場所が同じなので、目新しさがなく、何人かクリアすると飽きます。
それと、どのルートをプレイしても、あまり変わり映えがしない。
なので、途中からはもう、作業ですね。
好きな声優さんが声をやられてるとか、絵が特別好きとか、そういうのじゃないと結構苦痛かも。

私はとにかく、矛盾が多すぎて気になりましたね。

以下ネタばれありのため隠します。

まず、九艘(くそう)という一族と一謡(いちよう)という一族。
どちらもが、八百比丘尼という人魚の肉を食べて800年生きたとされる人の末裔、ですね。
ただ、九艘は怪我をしても直ぐに治ってしまう治癒能力と、400年という長い寿命をもってますが、一謡にはそれがない。
その代わり一謡には、唯一九艘の命を奪う事が出来る太刀がある。
水断刀と言われているこの太刀によって負った怪我だけは、九艘の治癒能力が働かず治らないので、寿命以外で九艘が死を迎える方法は、この太刀で斬られるしかないってことですね。

で、主人公は後天的な九艘です。
割血という儀式によって九艘になったんですね。
その割血をしたのが、桐原拓哉(CV:子安武人)。
主人公が通う高校の一年上の先輩です。
彼は、子供の頃、割血という儀式がどんなものかも良く分からないままに主人公にしてしまって、主人公の人生を変えてしまった事にかなり罪悪感を持ってる感じですね。
なので、その罪悪感もあって、彼は主人公を守ろうとしてくれます。
どうにか主人公を自由に過ごさせたいと思ってる節があるんですが、主人公の能力が特殊な故に、それを九艘の郷では許してくれず、兄である桐原貴人とも衝突します。
このルートだけが唯一、主人公がどうして九艘になったかが分かるルートですね。
一番王道だろうなと思われるルートでした。
主観ですが、このルートをプレイした後他のルートをプレイすると、拓哉先輩の罪悪感が結構大きいのが分かってるので、何かね、拓哉先輩どうするんだろうと思ってしまうんですよ。
兄である貴人が相手ならばまだ、主人公の様子を見る事が出来ますからいいんですが、相手が一謡側だった時なんかもう、「お前が悲しむ事がなければいいと思っていたが、俺は遅かったのか」とか言われるんで、凄い罪悪感が……。
なんか悪い事してる気分になります、ホント。
私は一番最初にクリアしたので、色々そのたびに罪悪感が……。
でもまあ、一番王道のルートだと思います。

拓哉の兄桐原貴人(CV:井上和彦)は、過去の出来事から、人と九艘は共に生きて行くことは出来ないとおもってます。
先天的な九艘と後天的な九艘も、共に生きて行く事は難しい、と。
なので、最初は主人公にかなり冷たいです。
本当に冷たいです。
特に他のキャラのルートの時なんか、容赦ない。
彼は外見年齢と実年齢が合わない人なので、実年齢知ると吃驚です。
凄い年の差カップルですよ。
このルートは貴人さんの過去の事があるんで、結構切ない。
しかもトゥルーエンドルートでそれですか! という展開で吃驚する。
何か私、ルートに入る選択肢間違ったかと本気で思いました。
合ってましたけど。
主人公の学校の教師なので、教師と生徒という禁断の、という関係ですね。
弟が主人公にしてしまったことも、それ故弟が罪悪感を持っている事も知っていてなので、主人公とくっついて一体どう思っているのかが凄く気になりましたね。
その辺全く掘り下げられてないのが、残念だったなあ。
まあメインが過去の事なので、両方は難しいのかもしれないけど、せめて弟とその事で少し話す場面くらいあっても良かったんじゃないかなあ。
どうもそういうの上手く回収しきれてない感があるゲームです。

手塚京輔(CV:谷山紀章):
九艘ルートでも一謡ルートでも攻略出来るらしいんですが、九艘ルートで攻略しました。
彼は九艘にも一謡にも全く関係ないと思っていたら、どっちにも関係のある人でしたね。
九艘と一謡は過去からずっと互いに憎みあい争ってるんですが。
母親が一謡で、父親が九艘と言う、いわば敵同士の夫婦の子供なんですよね。
だから、彼の両親は彼が子供のころに、追ってきた一謡によって殺されてしまうんですが。
その場面をクローゼットに隠れて見てしまったが故に、その時の記憶をなくしてるんですけどね、彼は。
母親が一謡で、父親が九艘でも、彼は長い寿命も治癒能力も受け継いでなくて、普通の人間なんですが。
あ、一謡も九艘も特殊な能力をもってます。
一謡は九艘程寿命は長くないですが、それでも普通の人よりは長い。
手塚さんは、本当にその辺は普通の人、らしいですね。
ただ彼は、一謡と九艘を普通の人間にする事が出来る能力を持ってます。
その能力は九艘の長老に会うことで開花させて貰えるんですが。
その能力を使って、貴人さんが人になりたいと言ってなるんですが。
……この場面が衝撃的でしたね。
九艘ならば、水断刀以外で斬られても命を落とすことがないのに、人になったあと斬られたので、死に至ってしまうんですよね。
そんな形で、手塚さんの能力が確かなものだと証明されてしまうのが、ね。
ただ、一謡にとっても九艘にとっても、このルートが一番ハッピーエンドな気がします。
人になれる訳ですからね。
特に治癒能力と、長すぎるくらい長い寿命をもってる九艘にとっては、ね。
人の中で生きるには一謡の方がまだましですから。
主人公もこのルートなら人に戻れますしね。
両親が人だから、九艘のままだと色々、ね。
なので、一番このルートがハッピーエンドかもしれないと思いましたね。

新野憲吾(CV:鈴村健一):
彼も、一謡ルート、九艘ルートどっちでも攻略出来るんですが、九艘ルートで攻略しました。
手塚さんが、一謡にも九艘にも関係があったので、唯一、全くとちらにも関係ないキャラ。
それをもう少し生かして欲しかったなあ。
このルートの主人公は、逃げてばかりでとっても鬱陶しいです。
憲吾くんは人で、主人公は九艘で。
それ故に、傍に居る憲吾くんも危険な目に合って。
だから逃げたいって気持ちも分かるんだけど、他のルートでは自分の事だから知りたいとか思っていたはずの主人公が、このルートだけは、憲吾くんにつれられるようにして自分の事を聞きに行く。
そして毎回、聞いてる途中で逃げる。
その繰り返しなんだよねえ。
とにかくそれが鬱陶しくて困りました。
憲吾くんも、甘やかせばいいってもんじゃないだろうとか思ってしまいましたよ。
誰かに何か行動を起こされる前に、自分から憲吾くんと一度くらい決別してたら、もう少し良かったかな。
寿命も違うし、自分と居る事で憲吾くんも怪我する危険性あるしね。
そういう決断を、自らしたなら、もう少し良かったかな。

加々良愁一(CV:森田成一):
一謡の当主の次男。
何だか感覚が普通の人とずれている人でした。
でも、結構良い役だなあとは思った。
明月圭(CV:遠近孝一):
彼は愁一の護衛なんですが。
何故一緒に書くかと言うと、このルートどっちをやってもホント変わらないんです(苦笑)
色々説明するのが愁一か圭かの違いってくらいで……。
どうせなら圭の方はもう少し兄との関連でも表に出せば、良かったかもなのに。
そのあたりの話はあるんですが、何というかホント、愁一のルートと殆ど変らないんでそっちがかなり薄くなってる。
愁一の方も兄との関係とか、次期当主としての事とか、そっちを表に出したらもう少し良かったのかも。
とにかく、今どっちのルートだっけ? と分からなくなるくらい、全く同じと言って良い程同じ展開のルートです。
続けてやるとホント分からなくなります。
一謡ルートだと、一謡の郷に行くんですが。
此処で九艘ルートで九艘の郷が焼かれ設楽くんが水断刀を持って九艘の郷に来た事の背景が分かります。
分かるんですが。
これがねえ……。
一謡ルートで主人公が一謡の郷に行ったのなら、あれでOkなんですが。
主人公が九艘ルートに行った時は、可笑しいんですよね。
でも、実際は同じ事が起こってる。
なら、一謡の郷でも同じような事が起こらないといけないわけで。
設楽優(CV:斎賀みつき)は確かにちょっと無謀というか、九艘に対する思いが過激な所はあるんですが。
それでもね、水季さんの事は本当に思ってるのが分かるんですよ。
主として敬愛してるのも分かる。
なのに、その水季さんの父親でもある一謡の当主を殺すってのは、ねえ。
まあ、その辺りの矛盾は水の旋律2で解消されますが。
とにかく、水季さんが悲しむと分かっていることを設楽くんがするのが解せない。
そして、父親が亡くなって悲しいからって、父の思いもしっかり分かっていて理解していたはずの水季さんが、九艘殲滅の指示を出すのもまた、分からない。
それと、設楽くんは幻を見せる事が出来るんですが、それで主人公の幻を見せて、当主の部屋に夜中に入って、主人公の振りをして、自分を九艘にした人を知りたいから九艘の郷への行き方を教えて欲しいと聞くんです。
九艘の郷は、九艘以外は入れないように呪いが掛けられてるらしいんですね。
でも、主人公は九艘なんで、場所さえ分かれば中に入れるはずなんです。
九艘の血に反応して入口が開かれるんですから。
なのに、この一謡の当主「九艘以外のモノが中に入るには、呪いが掛けられている御神木を探し出して切るか焼くしかない」って言うんですよ。
ちょっと待って、まず九艘じゃないモノが入る方法を主人公が聞いた時点で可笑しいと何故思わない?
主人公は九艘なんだってば!
こんな抜けてる人が当主で大丈夫なのか一謡、と心配になりましたよ、マジで。
九艘以外が郷に入るにはなんて方法を言わなければ、九艘の郷に火が掛けられる事もなかったわけで……。
九艘の主人公相手に何でそんなことを言うのかもホント分からなかったでしたね。
この疑問は2でも解消されてません。

で、この設楽くんが主人公の幻を見せてってのは主人公が一謡の郷に行った場合は有効ですが、じゃあ、主人公が九艘の郷に行った場合は?
一謡と九艘は敵同士で、主人公以外は一謡の郷に行こうと思う九艘はまずいない。
なら、設楽くんが見せた幻は?
設楽くんが九艘殲滅を望んで居る事くらい、当主は知っていたから、設楽くんがたずねて行って九艘の郷の場所を聞いても教えてくれるはずもない。
それに、水季さんが九艘殲滅の指示を出さない限り、設楽くんは水断刀を持ちだせない訳で。
九艘が父を殺したから、それで九艘殲滅の指示を出したのだとしたら、父である一謡の当主を殺すのは九艘ってことにしないといけない。
となると、誰かの幻を見せてってことになるけれど……主人公が九艘の郷に行った場合、誰の幻を見せたの?
この矛盾がね大きすぎて。
しかも確信に当たる所の矛盾なんで、見過ごすことも出来ずにもやもやするんですよ。
主人公が一謡のルートに行った場合と九艘の郷に行った場合。
能力覚醒のイベントを変えたらよかったのにね。

まあ、主人公の幻が当主の部屋によるに入ったのを、愁一ルートなら圭が、圭ルートなら愁一が。
片瀬さんルートなら、愁一が見たと証言するため、主人公は当主殺害の容疑で牢に入れられる訳ですが。
その時に、愁一、圭ルートなら、愁一と圭が一緒に入れられて、片瀬さんが助けに来る。
片瀬さんルートだと片瀬さんが一緒に牢に入れられて、圭が助けに来るってパターンですね。
そして一緒に九艘の郷に向かって、炎上している郷を、雨を降らせる事で救う。
このあたりはほぼ九艘ルートでも一謡ルートでも同じで、傍にいて色々言うキャラが違うだけです。
なのに、傍に居て色々言うキャラが違うから、既読スキップが出来ずに、強制スキップする羽目に。
とにかく、確信部分でかなり大きい矛盾があるため、もやっとします。

片瀬哲生(CV:檜山修之):
双竜の太刀を持つ一謡のハンター。
設楽くんが当主の長男の水季さんの護衛のハンターで、圭が愁一の護衛のハンター。
片瀬さんは、当主の護衛のハンターですね。
ハンターってのは、水断刀に選ばれた人の事らしい。
太刀が持つ人を選ぶらしいんですね。
それで、圭は兄と確執がある訳ですが。
片瀬さんルートはランダムイベントがないので楽です。
このルートは切ないですよ。
片瀬さんの妹が病気で幼くしてなくなってるらしいんです。
人は九艘の血を受け入れる割血という儀式で九艘になれるんですが。
一謡は、九艘の血を受け入れる事が出来ないらしいんですね。
人でも、血が合わないと死に至るらしいんですが、一謡の場合は確実に死に至る。
片瀬さんと妹は、半分人の血が入ってるらしいんですね。
両親のどっちだったかな、が人らしいので。
だからもしかして、九艘の血を受け入れられるんじゃないかと思ったらしい。
九艘は治癒能力があるから病気にもなりませんから。
妹が九艘になれば病気が治ると思ったらしく。
血を分けて貰う為に、水断刀を持って、九艘の郷に向かって、御神木を切り倒して九艘の郷に入ったという過去があるんですね。
九艘は、死にたくても寿命が来るか水断刀で斬られない限り死ねない。
それはそれで苦悩があるんでしょう。
だけど、生きたくても生きられない人がすぐそばに居た場合、しかもそれが大切な家族だった場合。
九艘のそんな苦悩は贅沢でしかないんでしょうね。
だから、片瀬さんは九艘が嫌いらしいです。
恵まれてるのに、という思いがあるから、でしょうね。
でも、貴人さんルートなんかをプレイすると、果たして長い寿命が、病気も怪我も治ってしまう治癒能力が、本当に恵まれてるのかと思ってしまうんですよね。
片瀬さんルートは、愁一か圭のトゥルーエンドを見ないと解放されないんですが。
最後にプレイしたんで、何かもう、どっちの思いも分からない事もないから複雑でしたね。
とにかく切ないルートです。
その上彼は、仕えている主である当主を亡くしてしまうわけでですよね、設楽くんの計略によって。
当主に決して従順な訳じゃないんです片瀬さんは。
どちらかと言うと反発してるんですが。
当主も片瀬さんを信頼してたし、片瀬さんも当主を思ってるのがこのルートで分かるから。
当主がなくなった後の片瀬さんは、ね。
九艘の郷で、長老が寿命でなくなる場面に立ちあうんですが。
その時「もう誰かが死ぬのは見たくないんだよ」という片瀬さんの叫びが、全てを語っている気がして切なかった。
その代わりそのあとが甘かったですが。
色んな意味で片瀬さんルートは侮れません。

一番良かったのは片瀬さんルート。
次点が拓哉先輩かな、やっぱり。
とにかく確信部分の矛盾くらいは、どうにかして欲しいですね。
あと、もう少し別の視点から掘り下げた方がと思うキャラが何人か。
全体的に切なさも、中途半端です。
面白くないとは言いませんが、ホント作業です。
あまりにも展開が同じ過ぎて、飽きずに最後まで一気にクリアは……無理かなと思います。

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