雪月花

FF10をプレイした頃、FF10の批判として多く上がっていたのが、スピラの人達に対してのものでした。
シンを倒せるのは究極召喚のみというのを信じ、召喚士の命と引き換えだと知っていてそれを望む。
それに対する批判。
確かに、分かります。その批判は。
でも、スピラの人達にとっては生まれた時からそれが当たり前、なんですよね。
常識なんだと思うんです、スピラの人達にとって。
常識を疑う事って……難しいと思うなあ。

宗教ってそういうもの、ですからね。
盲目的に「教え」を信じる。
以前宗教についてちょっとかじった程度ですがやったことがあって。
正直理解出来なかったです。
でも、それを信じてる人たちは確かに居るんですよね。
私が可笑しいと思っても、彼らは可笑しいと思わない。
それが宗教ですよね。

それに、自分があの状況のスピラに居たとして、究極召喚でしかシンを倒せないって事に疑問を抱けるのか。
批判してた人達は、自分なら疑問を抱くと言ってましたが、本当にそうでしょうか。
生まれた時からそれが当たり前で常識で、そんな中に居てもそう思えますかね。
私は無理だなと思いました。

それともう一つ。
スピラの人達に対する批判があると同時にアルベド族に対する肯定的な意見も多かったですね。
でも、彼らのやったことは本当に正しいのか。
彼らのしたことって誘拐監禁ですよ？
正当な理由があれば誘拐監禁しても良いって事？
それだって逃げてるだけにしか思えない。
覚悟を持って旅をしている召喚士を結局彼らは説得出来なかったって事でしょう。
保護してるって言えば聞こえはいいが、あれは紛れもなく誘拐監禁ですよ。
本人の承諾なし、ですからね。
そうしなければ命と落とすから……ってのは理由としてはいいですよね。
でも自分の命と引き換えにしてもって思ってる召喚士を止めるなら、同じくらいかそれ以上の覚悟を持たなければ無理でしょう。
そうじゃなきゃ説得なんて出来ない。
まあ、だから誘拐監禁なんて方法取ったんでしょうけどね。
頭から、アルベド族のやったことを肯定することは出来ないと思う。
バルテロがマカラーニャの森で必死にドナを捜してましたよね。
あれを見ても、正しいのだと胸を張って言えるのか。
自分の大切な人が突然居なくなったら、誰だって心配しますよ。
取り乱すほどに心配させて、それでも正当だと胸を張って言えるのか。

結局はアルベド族も、エボンの教えに囚われて居るんですよね。
だからこそ、他の方法を見出すことが出来ない。
そんな世界だから、エボンには全く縁のないジェクトやティーダが必要だったんでしょうね。
あの世界を変えることが出来るのは、スピラ以外の人間なんでしょう。

そしてやっぱりアーロンについても語りましょうか。
冒頭にも書いたように、途中までずっと敵だと思ってました。
なのにすっかりハマりましたね。
ああいう生き方（生きてないけど）は中々出来ないですよね。
知っていることを伝えずに見守るってのは、難しいと思う。
言いたくなると思うんですよね。
そうじゃないんだよ、って。
皆が真実をその目で見るまでは絶対に語らなかった。
その精神力は凄いと思います。
見守るって難しいんですよね。
大人な生き方だなと思いますが、中々出来ません。
つい手や口を出してしまいます、どうしても。
でもそれじゃあ駄目なことも多いんですよね。
厳しい言葉を投げかけるから、アーロンは怖い人に見えますが、そこに見え隠れする分かり難い優しさが好きです。
優しい言葉を掛ける事だけが優しさじゃないですからね。
厳しい事を言うのも優しさです。
その人の為を本当に思うなら、厳しい事も言うでしょう。
どうでもいい相手にそんなことは言いませんしね。

ただ、ユウナには優しいのが気になりましたけどね。
あれは何でですかね？　召喚士だから？

ジェクトも好きですよ。
幻水5のフェリドを見た時にはホント、ジェクトだと思ったなあ。
アーロンよりジェクトの方が強いし懐は深いと思いますね。
不器用でプライドが高いから、そういうの素直に表せないんでしょうけどね。
ジェクトはホント強いなあと思いましたよ。

ってゲームの感想というかなんというか、言いたかったこと、ですかねこれ。