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幻想水滸伝ティアクライス

ゲームは普通に面白かったです。
主人公にも好感は持てました。
ただ、これを「幻水」だとは私は思えなかった。
別のゲームだと思えばいいんですが、幻水と言われると首を傾げたくなります。

理由は紋章がないから、でしょうね。
真の紋章に踊らされるかのように戦いに巻き込まれていった過去のナンバリングの主人公たち。
親友同士で争う羽目になったり、親子で争う羽目になったり。
どれも、真の紋章のせいと言ってしまっていいかのような状態です。
真の紋章がなかったら、それを手にすることがなかったら彼らは戦いに身を置くこともなかったでしょう。

幻水5の王子も、太陽の紋章がなかったら、ゴドウィンがあんな主張をすることもきっとなかったし。
どちらもが国の行く末を憂いているのは同じなのに、道を違えてしまう事もなかったでしょう。
幻水2の親友二人も、真の紋章を宿さなければ敵対して戦うこともなかった。
互いにハイランドという国に平和をと同じ事を望んでいるのに、道を違えてしまったのは真の紋章のせいだとしか思えないんですよね。
そうじゃなきゃジョウイの行動は説明がつかない。
真の紋章さえなければ。
ナンバリングの幻水はそう思わずに居られないものがいつもあります。
真の紋章があったから、命を落としてしまったキャラも居ます。
星の印にはそういう負の部分がなかった……というかあっても独りじゃないんですよね。
108人が同じ思いを共有できる。
皆が星の印を宿してるから。
真の紋章は宿すのは一人ですしね、不老不死の効果もあるから、ホント孤独だと思うんですよね。
そういうのがなかった。
真の紋章みたいに、それを宿す人だけが使える魔法もなかった。
同じ魔法を使える人が星の印を持った108人の中に何人も居た。
その状態でリーダーである証ってなんだろう。
これなら他人がリーダーでもいいんじゃないかと思うこともありましたね。
でもゲームとしては面白かった本当に。
幻水だと思うとかなり複雑ですが。

ティアクライスをプレイして、「すり抜けの札」のありがたさを実感しました。
ティアクライスは、ダンジョンから一気に脱出することが出来ません。
そういう札も魔法も何もありません。
仲間集めのため何度か同じダンジョンに行くのは幻水では良くあることですが。
ダンジョンの奥深くまで入って仲間になる為のイベント起こして、そしてまた自力で戻るのがかなりキツイ。
またあのダンジョンに行くのかと思うとうんざりします。
レベル上げないといけない場合はいいですが、そうじゃない時はアイテムも減ってる帰りは一気にダンジョンから出たいです。
面倒なダンジョンだと尚更。
もうこの自力脱出が凄くウザかったですね。
何度「すり抜けの札」をくれ! と言ったか分かりません。

以下ネタばれありなので、隠します。

ティアクライスで一番驚いたのは、ディルクでしょうか。
彼が主人公達と敵対する事になったのが驚きでした。
主人公達の兄貴分みたいな人ですから。
でも、彼の最期は本当に切なかったですね。
敵対していたのに、最期は弟分達を自らの命を引き換えに守った訳ですから。
彼の思いは理解出来たんですよね。
突然力を手にしてしまった弟分達が、力を手にしてしまったから「やらなければならない」と思ってしまう事から守ってやりたかった。
自らの意思でそうしようと思ったのならいいけれど、その力のせいでやらされるのなら、それから守らなければ、と。
ホント兄貴なんだよなあ、と思いました。
ホント切なかった。

彼らは確かに力を手にしたからってのもあるけれど、それでも自ら選びとったものでもあるんですよね。
ただ自分だけ星の印を得ることが出来ずに、何となく大切な弟分達が自分から離れて行ってしまうような寂しさもあったんだろうな。
ホント彼の最期は泣きました。
書によって力を得た彼はいずれ死を迎えるのは確かだったけれど。
それでも、弟分達を守るためどうすればいいのか調べてあの手段を取った訳で……泣けましたよ、ホント。

百万世界といういわゆる平行世界の話ですね。
最後には行き来出来なくなってしまんですが、トビラというものを使って行き来することが出来ます。
でも主人公はトビラを通って他の世界に行けないんですよね。
彼の正体はゲーム終わる頃には察する事は出来るんですが、はっきりとはゲーム中で明かされません。
ただ、恐らくは推測した通りでしょうね。

物語は未来は決まっているというひとつの道の協会と、決まっていないと言う主人公達の戦い、ですかね。
一なる王ってのが、百万世界にある真正なる一書に自らの降臨を書き込んで。
そうして、一なる王に敗れた世界は他の世界にその一部だけを融合される世界に残して消えてしまって。
いずれ百万世界を一つに、というモノかな。
その一なる王を倒すのがまあ、目的ですね最後の。
しかもこの一なる王、最後の最後で正体が明らかになるんですが。
ゲームの終わりごろに、選択肢が出ます。
その選択肢を間違うとゲームオーバーな訳ですが、過去間違った選択をした星の印を持つもののリーダー。
それが一なる王なんですね。
ひとつの道の協会は一なる王を神とあがめ、いずれ一なる王が治める、融合された世界が来ると思ってる。
真正なる一書にそう書かれているから、それを信じて世界の融合をしているんです。
そして融合した世界では、苦しい事も悲しい事もなく、自分が望んだ日々を送れる。
同じ日の繰り返しなんですけどね。
同じ日がただ永遠に繰り返す世界。
未来が決まってるのは当たり前ですよね。一日をただ繰り返してるだけだから。
それがひとつの道の協会と一なる王が望む世界。

世界が融合しても、星の印を持ってない者達は、融合した世界が元々の世界だと思ってる。
ある日突然そこに街や村や森や山が現れたと知ってるのは星の印を持つ人たちと、融合する場所を決めている人達くらいですかね。
今までは人が居ない場所に世界を融合してたんだけど、ひとつの道の協会に対立する国があって……星の印を持つ人たちにもその国の人が居るんで、それもまた切ないんですが。
その国のある場所に他の世界を融合させると対立する国を消せるじゃないですか。
その代わり沢山の命が失われる訳ですが……。
それで国が一つ消えた時も、その国の人が主人公の軍に居るから切なかったですね。
親も兄弟も家も、一瞬で失う訳ですから。

こういう容赦のないところは幻水だなあと思いましたけどね。
ただやっぱり紋章がないと幻水とはちょっと思えないんですけどね。
紋章のせいで悲しい運命を辿った主人公達を見てきてるからね。

ただ、ナンバリングの幻水をしたことがない人でも、これは楽しめると思います。
ゲームとしては本当に面白かったですよ。

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